お宮参りのアンティーク着物

JUGEMテーマ:イタリア
東北大震災を経験していない私にとって、3月11日は、一歩立ち止まり、過去を振り返り、軌道修正する日です。
日本の新聞を見ながら、お店でメソメソしてしまうので、仕事にならず・・・
開店休業状態にしています。
世の中が復興!復興!!と騒ぎたてるなか、
ゆっくりでいいから、いいものを作ろうよ・・・と思っていた人も多いはず。
原発、なくそうよ。貧しくたっていいじゃないか。
・・・
震災後に思ったこと、誓ったことを、再度思い出してみる日。
で・・・
作ったのが、スカート・ワンピでした(苦笑)。
お宮参り用の赤ちゃんサイズの小さな着物。
幅が35cmなので、
モデルさんが試着してみて、着られる!wowとはしゃいでいたこともありましたが、
着られるものではないので、
小さめのものを部屋なりお店のショーウインドウに飾りたい人か
素材として使いたい人向けに、輸入してみました。
が、なかなか売れず・・・
前に一度、染みがひどくて売れないものを
こんな風に使えますよ、というのを見せるために作ったものが好評だったので、
再度作ってみました。
 
すぐ近くにMazdaのショールームができ、
日本人デザイナーさんのお洋服が展示され、
家具の見本市&デザインウイークを1ヶ月後に控え、そしてすぐ万博開幕・・・
うちの店は伝統のものなので、
デザインとは真反対。
いつも悲しい思いをしているので、
モンモンと悩んでおりました。
で、震災後の気持ちに立ち戻り、
流行なんて追わなくてもいい、自分が正しいと思うことをしよう、と。
着物をほどくのが、いいことなのか、分かりません。
胸が痛みます。
このまま着用してくださる方がいたら、その方がいい。
でも、誰もいなければ、タンスの中で眠っているだけ。
それもモッタイナイ。
で、3.11を機に、ほどいてみました。
新たに作ったものが、誰かに着てもらえるものになるのなら、
着物も喜ぶに違いない・・・
そう自分に言い聞かせ、痛む胸を慰めながら。。。
縫った人のこと、着ていた赤ちゃんの成長、若いご両親の子供への期待・・・
手縫いで丁寧に仕立てられた着物。
ほどくのは最小部分のみ、ハサミも肩の部分に2か所入れただけです。
極力、元の形を崩さず、ハサミは入れず。
となると、スカートかドレスくらいしか作れないのですが、
形のあったものが1枚の布になり、そこから新しいものを作る、となった時に、
被災地が今どうなっているのか、これからどこに行こうとしているのか
気になって仕方ありませんでした。
ファッションの町ミラノも、今、お洋服が売れない時代にいるそうで、
前にお店に来てくださったファッション業界の方が
「今はね、服は売れないから、着物を売りなさい」
と言っていました。
外国人向けに大量生産された着物を販売するのはNOだし、
イタリア人が着やすいように着物をリフォームして売れればいいのですけどね。
お裁縫を勉強しなくては。
日本の文化と、日本人のモノを大切にする心を
ミラノで伝えていければなぁと思っています。
と、震災後、こちらにいながら日本に向けてできることは何だろう、と考えていた時に、
思っていました。
これからも、マイペースで、続けていきます。

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