税関の厳しさ

3月下旬、スイスからイタリアに入国したウクライナ避難民の女性に3800ユーロ(約51万円)の罰金が課されました。

3万5000ユーロ(約473万円)を現金で所持していて、申告しなかったため。反資金洗浄法違反です。同法では欧州に入国する際、1万ユーロ以上を携行する場合は申告が必要、としています。申告は所定のフォームに記入するだけ。

かき集めた全財産、彼女の人生のすべてだったはず。戦地から僅かな荷物とありったけの現金を持って避難してきたウクライナ人に対するひどい仕打ち、とバッシングを受けているこの措置。

女性は小さな荷物のみでウクライナを出国し、まずドイツの知人の元で数日を過ごします。そしてスイス経由キアッソ国境で入国審査を受けます。

この際、通訳を介して現金携帯について質問したところ、違反する金額は持っていないと返答。つまり、知らなかった・言葉が分からなかったという言い訳は通用しない状況でした。そして、疑われても仕方ないと思える状況(ドイツ滞在、少ない荷物)ゆえの罰金。切なくて胸が痛みます。

彼女はヴェネト州のある協会から招聘、受け入れのもと、イタリアにきています。その協会の発表で、今回の出来事が公になりました。そして、この協会では受け入れ手引き書の中に税関申告書を添付するなどして、再発防止に努めるとしています。

イタリアの財務警察がいかに厳しいかを見せつけた今回のエピソード。皆さんもご用心ください。

最初、私は知らなくて、まだ今ほど電子マネーが普及していない頃、逆に20ユーロだけで出国なんて怒られるんじゃないかとビクビクしてました。出国手続き後、ゲートに向かう途中で声かけられるのですが、財布や手荷物検査されることもありましたから、特に一人の方はご注意ください。

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