伝統工芸をどうするか

ひとりごと

伝統工芸を現代に受け入れてもらうために工夫をする。多くの方が考え、実践されていることと思います。

ギフトショーで見たり、セールスメッセージを受け取ったりして感じることは、外側からの視点の不足。(ギフトショー出展者は海外市場を意識してないから仕方ないけど

例えば、大きいものだと高くなってしまうから、ネクタイピンにしました!と言われても、イタリア人のネクタイ着用率は低い。小さくすることで良さが見えにくくなってしまうし、それだったら大振りのペンダントネックレスの方がいいかもしれない。イタリア人は大きなパーツのネックレス好きですよ。

手拭いは使わないし、飾るために買われる方がほとんどで、染め技術をPRされても見る目を持つ人は少なく、柄が重視される。じゃぁブックカバー作りました!って言われても、こっちの本とサイズが合わない。

日本の家から和室が減り、畳が消えていく。畳と縁を使った小物を作っている、と言うけれど、縁テープは随分前から手芸店のネットショップで買えるし、イタリア人には畳がどうこうなんて関係ない。ただデザインが勝負。(その方が作っていたものは素敵でしたよ!)

ちなみにお客様がロンドンのマーケットで買われた畳のバッグを見せてきて、あなたも作りなさいよと言われたのですが、私にはオシャレだと思えませんでした。

日本の伝統こけしが世界で人気だから、それを紙製品(ノート)に使いました! こけしという伝統を守りたいから! ・・・何???

イタリア人はこけし、好きみたいです。高いと言う人はこけしを知らない人。こけしの製作過程を見て知っている人が多いようで、高くてもすぐに売れます。

変に現代向けにアレンジする必要はなくて、九谷焼きだったらご飯茶碗でなく、デミタスカップの方が、ネクタイピンよりは全然いい。匠の技で勝負する、というのが大前提。

そして、それがどうスゴイ技術で作られたのか、説明する。せっかくいろんな高い技術持ってるのだから、知ってもらわないともったいない。

あとはデザインが好きかどうかだと思います。これはもう、どうしようもない。

コロナ禍、閉業してしまう職人さんが多いイタリアでは、日本の職人さんのことを心配してくださる方もいます。イタリア人は困っている人を助けたいという意識が高いので、何かできればいいなと思ってます。

で、お願いです。お店宛に売り込みをされる方、アポなしは勘弁してください。そして、少なくとも最低限の市場の調査をしてからにしてください。通訳さんが客のフリで「今日は営業されてますか?」と電話してきて、セールスに来るというのは大NGです。イタリア在住歴が長くなると常識がなくなってしまうのでしょうか。

今はスーパーデリバリーさんを通じて、商品を探しています。小さな職人技もたまに見かけるけど、商品数が少なくて単価が低いものだと、手数料1300円が重く感じるので、数は多めに登録されるのがいいかと思います。だいたい日本の価格の倍以上で販売されることになりますので、それでも売れそうな商品なのか、見てみてください。

コロナ禍、日本へ行けず、和雑貨店巡りで気を紛らわす人が結構います。みんなが早く日本へ旅行できるようになるといいなと思ってます。

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