ベネチアン・ガラス 2.刻印制度

JUGEMテーマ:イタリア
ムラーノ・ガラスという名前で売られている、いわゆるベネチアン・ガラス。
本来はムラーノから採取されたガラスを使って
ムラーノ島で作られた製品だけに使われる名称でしたが、
85%以上が海外製と言われる現在では、
ムラーノから採取された”ムラーノ・ガラス”を使って作られたものを
指すようにもなっています。

ですので、ムラーノ・ガラスと書かれて売られているものには、
それが「ガラスの種類を指すものなのか、ムラーノで作られたものなのか」
確認する必要があります。


ベネチアで売られているものには
・ムラーノ・ガラスを使ってムラーノ島で作られた製品
・ムラーノ・ガラスを海外に持ち出して作った製品
 同じ技術を使って作られていますが、質が落ちます。
 たとえば、チェコやルーマニアで作られているものは、
 ムラーノの職人さんが直接指導して作られたものです。
・ムラーノ・ガラスでもなく、海外で作られた製品
 こちらはベネツィアの人はおもに「中国製」と呼んでいますが・・・。


以上3タイプに分けられるように思います。
そして、この1番目のタイプには裏に刻印が押されます。


あいまいなのが、2番目のタイプ。
ベネツィアの人たちの話を聞いていると、
こちらには目をつぶる傾向が見受けられるのです。


ムラーノ島で作っている、とはいうものの、
100%全工程がムラーノで行われているか、までは確認していない。
多くの工房が途中工程をルーマニアで行っていることも知られています。


STOP-50%Fasliのポスターがある店で、
「刻印をねつ造するのは難しいけど、偽保証書なら持っている」
と教えてくれた人もいますし、
「こちらの商品は、うちがオーダーして作らせているものだから
全工程がムラーノで作られていることは確認しているけれど、
こっちの商品は、メーカーから買っているものだから詳細は知らない」
といった具合。


なんとなくざっと見た感じ、このポスターのお店では
同じメーカーの商品を扱っているように思います。
そして多くがAntica Murrinaの箱やスタンド(商品は違うのに)を使っていたりして。
Antica Murrina(アンティカ・ムリーナ)といえば、ムラーノガラスではないことで、
もう有名になってしまっていますが。


たった1日ベネツィアを訪れただけでは、真相がつかめませんでしたが、
どことなく胡散臭さの残るこのポスター加盟店制度でもあります。
刻印に関しては、まだ詳細を把握していません。
ただ、ベネツィアの人たちは本当に危機感を感じながら、
信頼回復に必死です。
刻印制度がねつ造されずに、きちんと機能することを願います。

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