豪華客船の事故を見て

JUGEMテーマ:イタリア

12時間ぶりに韓国人2人が救出されたそうです。
新婚旅行は台無しになってしまったけど、無事でよかった。
船室にいたところを夜通し捜索にあたっている救助隊に発見されました。
ほかの人たちの無事発見を祈っています。


フェイスブックには、この人を探しています、という書き込みが
いくつか回ってきました。まだ見つかったという報告がきていないのが気がかり。


事故直後、ジリオ島はシーズンオフのため、
すべての施設が閉鎖状態だったらしいのですが、急遽すべてを開放。
島の住民も自宅に招きいれたり、夜なよな救助活動をサポートしたそうです。
小さな島の温かい住民の皆さんに感謝。


さて、乗客のビデオなどがインターネット経由で見られますが、
ま、大騒ぎでした。


震災後、
「日本人は落ち着いて行動して偉いわ。私たちは無理。
本能のまま、自分のことしか考えないから」
と多くの人から言われました。
こちらでは
「9.11でイタリア人はフロアにとどまれ、という指示を無視した。
そんなことできるか!オレは逃げる、と。
そうやって多くのイタリア人が生き残ったんだ」
というたとえ話をよくするそうなのですが、
(実際にそうだったかどうか、ではなく、もののたとえとして、です)
まさに、そんなイタリア人の姿を見ました。


我先にと救助ボートに向かう人たち、
怒鳴り、わめき、罵声を浴びせ、本能丸出しの大騒ぎ。
けっこうショックでした。
1人がクラクションを鳴らすと全員が鳴らして大パニックになる国ですから。


43人の日本人のみなさま、恐怖と寒さの中、閉口していたのではないでしょうか。


新聞社系のサイトでは現地からの生中継が見られましたが
編集されていない映像なので、興味深かったです。
ひとりの女性が「船長、殺してやる」と。
「財布も家の鍵もすべてを失ってしまったわ。
そう、毛皮もなくなってしまった。クルージングにはいい格好で行くでしょう。
いいものすべてをここに持ってきたのに、わずか3時間でなくしてしまった」。


いまだ階級社会の残るイタリアでは、
毛皮はステイタスシンボルなのでしょう。
でも本当に上流階級の人は「殺してやる」というような言葉の使い方はしないはず。
上流でもないのに、そう振舞って夢を見るのがクルージングというものなのでしょうか。
悲しい現実を見た思いでした。
でも、体が無事でよかった。


そしてクルーやスタッフの取材を見ていて思ったのが、
やっぱりクルージングのスタッフってインターナショナルなんですね。
ほぼ全員、イタリア語が話せない。


昔、海外で働くことにあこがれていたとき、クルージングスタッフ募集に
まじで応募しようかと考えたことがあったくらい。
英語が学べる環境、とかそんな触れ込みでの募集だったと記憶していますが、
「寄せ集め集団」的な印象を持ってしまっていますが、
非常時の対応がまったくできていなかった、という乗客の怒りも分かるような気がしました。


誰もタイタニックのような事故が起こるとは思っていないし、
それを前提に準備することがいかに難しいか、
私たち日本人は大震災と津波で身をもって知っている気がします。


 

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