パスポートの落とし物

今朝、お店の前にフィリピンのパスポートが落ちている、と通りがかりの人が届けに来ました。

探しに来るかもしれないから、と預かるハメになったのだけど、来なかったら領事館に届けに行こうかと思いながら、サイトを見てたら、結構不便な場所で、国力ってこういうところにも出るのかな、と思いました。不便というより、上品とは言えないゾーン。バングラデシュの領事館も汚い場所にあるなー。

そのパスポートを見つけた人は、「新しいみたいだから可哀想」と言いながらパラパラめくって見てて、覗いて見てたら、なかなかカラフルな内装でした。日本の北斎のパスポートに感動してたけど、世界には各ページに絵が描かれたパスポートが結構あるのかしら。

きっと隣の建物の人だろうと思い、付箋でメモを残しました。移民だったら文字読めないかもと思い、大きくpasaporteと赤字で書き、イラストでココ、と示し、私の電話番号書いて。

夕方、若い男の子が来ました。パソ！なんちゃら、と繰り返すばかりで、何言ってるのか全然分からず、ようやく気付いて、無事返すことができました。イタリア語も英語も全然できない子でした。

あぁ良かった〜ってなポーズをしてましたが、お礼は言われなかったな。それどころじゃなかったのか、お礼を言う習慣がない国なのか。スリランカはそうらしいですよね。徳を積む機会をあげたんだから、という考え方だそうです。

昔、お店のシャッターの隙間から財布が投げ込まれていて、盗んだ人が現金とカードだけ抜いて捨てて行ったのでしょう。名刺があったので連絡したら、取りに来た時にお金を置いて行こうとしました。イタリア人でしたけど、その対応にもビックリでした。ひょっとしたらイタリア人は、お礼を言ってもそれだけ？って思うのかな？

ま、いろんな人がいて、いろんな習慣があって、こんな経験ができるのもイタリアならではです。

ちなみに、私がパスポートなくした時、私達のパスポートは滞在許可証とセットでないと機能しないから、紛失しても大きな心配は不要、と言われていたので、パスポートの落とし物にもさほどドキドキはしなかったです。旅行で来る方は気をつけて。