金継ぎ

ひとりごと

ここ2~3年、イタリアでも話題の金継ぎ。割れた陶器の補修にゴールドを使うというオシャレさ、粋さが高く評価されています。

先日、ミラノ郊外で金継ぎをやっているというイタリア人が売り込みに来ました。日本人からレッスンを受け、本格的な金継ぎをされているというのですが、私の方では興味ありませんとお答えしました。

数年前、メディアに取り上げられて話題沸騰していた頃、金継ぎ製品を持っていないか、自身の陶器を修復してくれる人を知らないか、と問い合わせが相次いできました。

でも、こういった人達が探しているのは、要は

金の模様の入ったもの

だったりするのです。つまり、2~3000円の予算。

そのイタリア人金継ぎアーティストさんのところにも、修復依頼が来るものの、漆では無く、ボンドを使ってくれればいいとおっしゃる方もいるそうです。

彼女はそれは金継ぎではないと断固として拒否するそうですが、果たしてそんなに頑なであるべきものなのか、疑問に感じたりもしています。

実際、彼女は小さな石に金継ぎを施してジュエリーとして売っています。これだって本来の金継ぎとは違うもの。ただテクニックだけで、フィロソフィーに反していませんか。

私が彼女にノーと言った理由は、私にとって金継ぎは、大事にしていた陶器が壊れてしまった時に修繕する、そこにオシャレに金を使うというものだから、ポイントはゴールドを使おうがボンドだろうが、物を大事に思う気持ちが根本にあるべきもの。

金継ぎをやってみたい!という人に「漆と金がセットになったキットが日本では売られてるよ」と話して、欲しいと言っていたのだけど、漆じゃなくてもいいんじゃない?という話になり、私がボンドにゴールド塗料混ぜて”なんちゃって金継ぎ”やったことあるけど、それっぽくなったよ、と言ったら実際に試されて満足していました。私はこれでいいと思っています。金継ぎされた茶碗を購入するより、よっぽど貴重なものなはず。

似たようなことは折り紙にもありました。要は、着物柄が求められている。中国製だろうが関係ない。でも手を動かすことが第一歩。触れば違いは分かるものなので、いずれ余裕ができたら本物の和紙で作りたいって思ってくれるし。

日本のスーパーで売ってるパルメザンチーズは偽物。でも美味しければそれで良くない? あ、ちょっと違うか。

続きはまた別の機会に。

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